AELLAの開発

目の前に1組のライディングステップがある。

目の前に1組のライディングステップがある。

構成するパーツの一つひとつに平滑な面はほぼなく、柔らかな曲面で構成される。 すべてのエッジは滑らかに仕上げられ、触れた指に作り手の温もりまでが伝わってくる。吸い寄せられるように手に取ると、ハッとするほどの軽さに驚くはずだ。 普通では目に触れない裏側まで、執拗とも思える肉抜き加工が施してある。 そして、その切削跡までもが流れるように美しいラインを描いている。 取り付けてしまうのが惜しい。 我々は、そんなライディングステップに大きな誇りを持っている。 アルミの塊をどこまで美しくできるか。機能やコストを最優先するのなら、凝ったデザインも作りも必要ない。 しかし、バイクのパーツはただの工業製品ではない。 優れた機能に加え、所有する喜びも持ち合わせる必要がある。 バイクを知り尽くし、素材を知り尽くしているからこそ、我々は無垢のアルミ素材に作り手の魂の息吹を吹き込むことができるのだ。
AELLAは欲求を刺激する美しさをそのボディに秘めている。 シンプルだが複雑な曲面と平面が絶妙なバランスで構成されたパーツは美しい立体を創り出す。 それは機能性を極限まで仕上げた上でさらに「美しさ」を追求した結果であり、それこそが私たちが常に求めて止まないものなのだ。 「妥協」などという言葉はAELLAには存在しない。 常に「ここからだ。ここからなんだ。」という追求する魂が結実してこそ「AELLA」は誕生するのである。 角のラインを光らせるためだけに創り出す「面」がAELLAには存在する。 これは機能性とは別次元の「美しさ」を求めた結果である。 「もの」としての美しさが所有する人の「美しいものを愛する人」というアイデンティティさえ表現する。 パーツの機能性だけを考えるのであればこういった加工は全く意味をなさないかも知れない。しかしそれは、私たちの求めるものではない。 「機能性」も「美しさ」も極限の位置で存在するべきだと私たちは考える。 それを純粋に求め創り出したものに無駄な場所など存在するだろうか。あるはずがない あえて言おう。「全ての面には理由がある。」と。
機能とデザインの融合、すなわち機能デザインを確立したAELLAは、いま、次なる頂へ挑もうとしている。 それは、ライディングそのものの質と喜びを高めるトータルな視点に立ちつつ、同時に「(求めるパーツがない)ならば、自分たちで作ろう」という設立時の原点に戻ることでもあった。 例えば、AELLAポジションともいうべき、独自の構えについての考え方を徹底させることもその一つ。 AELLAでは、バックステップ、ハンドルのポジションは基本的にノーマルシートに合わせてあり、この3点の位置関係をバイクの種類、バイクの重心位置、ライダーの動き、バイクの動きなどを考慮に入れて決定している。 AELLAの場合、ポジションというのは、単なる姿勢ではなく“構え”なのである。 つまり何が起きても反応しやすい姿勢がAELLAポジションと言うことである。 例えばスピードが乗らず、バイクが安定しない低速コーナー。 このような場面でも、モーターブレスシステムのスムーズさは威力を発揮する。 それは過剰なエンジンブレーキやアクセルのギクシャク感を抑え、微妙なアクセルワークに追従するレスポンスを可能にするからである。 この他にも、コントローラブルでトルクフルなエキゾーストシステム。 強力なストッピングパワーを意のままに扱えるセラミックカーボンブレーキパッド。 オートバイの美しさを引き立てるカバー類など、新しい機能パーツを続々と生みだしている。